中飛車

中飛車とは

中飛車とは、先手であっても後手であっても、飛車を５筋に振る戦法です。

自陣を効率よく守るバランス感覚が必要な振り飛車です。

中飛車の手順

初手から▲７六歩△３四歩▲６六歩△８四歩▲６八銀△８五歩▲７七角△６二銀▲５六歩△５四歩▲５八飛（第１図）

【第１図は▲５八飛まで】

＜解説＞

初手は▲７六歩と角道を開け、次に▲６六歩と角道を閉じます。角道を止めない『ゴキゲン中飛車』という戦法もありますが、ここでは角道を閉じて戦う『ノーマル中飛車』を解説していきます。

▲６六歩と角道を閉じます。

相手が、△８五歩と飛車先の歩を伸ばしてきたら、▲７七角として歩の交換を防ぎましょう。

飛車を５筋に動かします。これが『中飛車』です。

片美濃囲いを作ろう

第１図から△４二玉▲４八玉△３二玉▲３八玉△５二金右▲２八玉△５三銀▲３八銀△４二銀上▲１六歩△１四歩▲６七銀△７四歩▲７八金（第２図）

【第２図は▲７八金まで】

＜解説＞

飛車を５筋に動かした後は、玉を守るための囲いを作りましょう。中飛車の囲いには、いくつか種類がありますが、どんな相手にも対応できる『片美濃囲い』をオススメします。

赤枠が『片美濃囲い』です。 短手数で組むことができ、横からの攻めに強く、発展性に優れています。▲１六歩と端歩を突くことで玉の逃げ道を作ることができます。

『美濃囲い』と比較すると、金が１枚少ないので堅さでは劣りますが、青枠のように▲７八金としてバランスを取ることができます。

中飛車の戦い方

 中飛車の戦い方を解説していきます。  

居飛車側が△６四銀と攻めてきました。ここで四間飛車や三間飛車にも登場した返し技があります。

▲６五歩と突きます。居飛車側は△同銀と応じてしまうと▲２二角成△同玉▲７七桂と進み、銀が取られてしまうので悔しいですが△５三銀と引くしかありません。▲２二角成△同玉▲５五歩△同歩▲同飛と進み

ここで居飛車側が△５四歩と打てば▲５九飛と引いておき、次に左銀を使って攻めを繋げていきましょう。

居飛車側が△５四歩ではなく△３三角と打ってきた場合を解説していきます。一見すると良さそうな手に見えますが、この場合も▲５九飛と引きます。

△９九角成と馬を作られますが…

ここで▲７七桂と跳ねます。飛車を５九に引いた効果で馬取りになっています。△９八馬と逃げますが…

▲５五角で『王手飛車取り』が決まり振り飛車が勝勢です。▲７七桂と跳ねた手が『王手飛車取り』と『馬取り』を同時に発生させる１手だったというわけです。